競馬マイノリティ

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アーリントンC/中山GJ/アンタレスS/皐月賞

アーリントンカップ

先週からBコースへ替わった阪神芝コースは33秒台前半の上がりが記録されたように、雨の影響も受けることなく内ラチ沿いの傷みもカバーされたこともあり良好な馬場状態。
芝で行われた全10レースで3着内へ好走した30頭中20頭が1~4枠、内ラチ沿いを立ち回れる先行馬や内枠馬が有利になりやすい状況。
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しかし今週は週中に雨予報。直近で雨の影響を受けた馬場で行われた同コースでのレースは外枠馬の好走が目立った。
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開催日が移動した18年以降の当レース傾向としても外枠が優勢、雨の影響が残る馬場でレースが行われるようであれば注意しておきたい傾向だ。
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中山グランドジャンプ

春と年末に行われるジャンプG1レース。
中山も週末にかけて不安定な天候、他の障害コースとは一線を画す起伏に富んだ障害コースなため週中の雨量次第ではかなりのスタミナが求められる。
それゆえに過去に好走実績のあるリピーターは有利。重い斤量を背負い起伏の多いコースで血の淘汰が行われている欧州で繁栄するサドラーズウェルズ系や日本で最も優れた欧州実績を収めたステイゴールドを始めとしたノーザンテーストの血を引く馬も高い適正を示しています。

※下記の中山大障害もご参照ください。
chichicastenango.hatenablog.com

アンタレスステークス

近2年は京都代替開催のため年に複数施行されているが、阪神ダート1800mで行われる唯一の重賞。
当レース傾向としてはJRAダート重賞番組数の問題も大きく、高齢実績馬やリピーターが何度も走りやすい構造となっている。そのため重い斤量を背負うことが不利になりにくい。
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過去に当コースで行われていたG1レースの傾向としてもリピーターが好走、2010,11年と連覇したトランセンドは芝指向のスピード問われるオールウェザーコースで行われた2011年ドバイワールドカップ2着馬(勝ち馬は芝G1馬ヴィクトワールピサ)。
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異なる競馬場で当レースを2011,12年に連覇したゴルトブリッツは近親に無敗3冠馬ディープインパクトやダービー馬レイデオロがいる日本のクラシックで最も成功を収めているウインドインハーヘア牝系、父か母父にクラシック実績のあるサンデー系の血を引く馬には特に注意しておきたい。

その他に注目しておきたい傾向としては、近10年で前走1900m以上のレースへ出走していた馬が好調、特に地方交流重賞へ出走していた馬は好成績を収めています。
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皐月賞

最終週を迎えた中山競馬場で行われる春の牡馬クラシック初戦。
先週は好天に恵まれ、芝コースで行われた全9レースで3着内へ好走した27頭中19頭が5〜8枠と外枠優性。
外枠でも大外7,8枠だけで12頭が3着内へ好走したが、これに対して最内1,2枠は僅かに2頭。明らかな外枠有利バイアスが発生していた。
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日曜11Rオープンクラスではレコードに0.1秒差と迫る速いタイムや32秒台の上がりが計測されたように芝刈りなどの入念な馬場整備に加え、初夏のような気候、両日続けて強い南風(向正面向かい風、直線追い風)の影響を受けたことにより今開催の中では最も軽い馬場へと変貌。
今週は週末にかけて悪天候が見込まれるが、雨量と当日の天候次第ではレコードが記録されるような馬場コンディションになることも想定される。

路盤の大規模改修工事後の馬場で行われるようになった2015年以降でレコードが記録された16年勝ち馬アルアインは後に日本ダービーをレコードで勝利したシャフリヤールの全兄。
母はアメリカダート短距離G1馬ドバイマジェスティ、2着馬も近親にダートG1馬ゴールドアリュールがいるニキーヤ牝系、さらに12人気激走3着馬もダートG1馬クリソベリルなどを輩出するキャサリーンパー牝系、13人気4着だったクリンチャー自身は今も現役でNARダートを中心に交流重賞やG1戦線活躍していることから速いタイムでの決着が想定される皐月賞においてはダート指向のスピードに秀でた血を引く馬の才能が爆発しやすい舞台。

改修工事以降の当レース傾向としては弥生賞ディープインパクト記念に続いてディープインパクト産駒が好調、中でも前走1800m以下の短い距離で道中ペースが速いレース経験がある馬は特に好成績を収めている。
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対照的に前走2000m以上のレース経験馬は不振。しかし、このローテーションで皐月賞も好走したディープ産駒2頭はいずれもダービー馬となった。
ディープインパクトと言えば道中最後方追走から最後の直線で強烈な末脚で追い込んだ名馬、短い距離で速い道中ペースを経験していないディープ産駒にとっては皐月賞のペースはそれだけ過酷な流れなのだろうと推測する。
逆に言えばワグネリアンのようなダービー向きのディープ産駒はこのローテで凡走したとして巻き返しが大きく期待ができるとも言える。

しかし昨年末からこれまでの中山芝重賞傾向としてはディープ産駒の成績が悪く、33秒台の鋭い末脚でダービーレコードを記録したディープインパクトとは対照的に上がり35秒台もかかるタフな流れを強烈な持続力で押し切りダービーレコードを記録したキングカメハメハに代表されるキングマンボ系の産駒が好成績な点から今年の皐月賞はディープ産駒に疑問符が付く。
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