競馬マイノリティ

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プリンスオブウェールズS/マーメイドS/ユニコーンS

プリンスオブウェールズステークス

アスコット芝1990mを舞台に行われるイギリス王室主催による欧州最高峰古馬中距離レースのひとつ。
起伏が激しいことで知られる当コースは、スタートから向正面の最低地点スウィンリーボトムと呼ばれる谷底まで300mほど坂を下り、その後ゴール地点まで断続的に約22mも坂を上り続けることになる極めてタフなコース。
これは凱旋門賞が行われるパリロンシャン競馬場の約2倍、日本で最も高低差のある中山競馬場の約4倍という日本馬にとってはあまりにも過酷な条件だ。
当レースは2000年にG1へ昇格し同年ドバイミレニアムが8馬身差圧勝で勝利、同馬を介した父ドバイミレニアム系の馬が近10年で2013,18,20年と3勝を挙げている。

今開催のアスコットは天候が近年でもかなり良いとのことで馬場状態は軽めのコンディションが想定される。
2014年に当レースをレコードタイムで勝利したザフューグを輩出した父ダンシリ、同馬はアスコット競馬場を舞台に行われるキングジョージを11馬身差圧勝に加えてコースレコードを記録するなど後に日本で種牡馬入りするハービンジャーを輩出した。
日本でも多くのレコードを保持するダンチヒ系から更に発展したデインヒル系で、特にスプリント王国でもある豪州でデインヒル自身はリーディングサイアーへ9度輝いた大種牡馬
当レース近10年勝ち馬10頭中5頭(2014,15,16,17,19)が父or母父ダンチヒ系の馬でもあるように、自然の地形を活かした時計のかかる欧州の馬場でも軽めの馬場コンディションであれば特に注目しておきたい血統だ。

また当レースに限らず欧州G1レースは小頭数で行われることが少なくない。
参考までに近10年JRAで直線に急坂が設けられているコース(中山,阪神,中京)を対象に、出走頭数9頭以下,古馬混合戦,芝2000mで行われた産駒が10頭以上出走した種牡馬成績を集計したもの掲載しておく。
驚くべきことに当レースと相性が良いであろう短距離路線で実績を残す種牡馬ダンチヒ系,ミスタープロスペクター種牡馬が優秀な成績を収めている点も見逃せない。

マーメイドステークス

京都競馬場改修工事による変則開催に伴って今年も僅か2週のみの開催を迎える阪神競馬場、前開催に引き続きBコースを使用してレースが行われる。
今年行われた開催を通じての傾向としては雨の影響も多々受けながらも良好な路盤を維持し続け、ロングラン開催にも耐えうる路盤,馬場造りに注力した阪神競馬場馬場造園家の努力も実り、ここまで行われた全芝重賞の傾向においても昨年同様に内枠が有利になりやすい状況が見られた。※下記記事の天皇賞(春)項をご参照ください。
chichicastenango.hatenablog.com

昨年第3回開催の全芝レース傾向も内枠馬が恵まれやすい状況が見られており、今年も同様の馬場コンディションが想定される。

特に出走頭数15頭以上で行われたレースでは特にその傾向が強まる点にも注意しておきたい。

近10年の当レース傾向としては、環境の変化に敏感な牝馬限定レースだけに輸送による不利が大きく関東馬が不振、斤量差が大きくなるハンデ戦でもあるためキャリアの浅い4歳馬や前走条件戦へ出走していた馬は恩恵を受けやすく期待値が高くなりやすいレースとなっている。


枠傾向としては直線が短い内回りコースなだけに内枠が有利になりやすいが、大外枠も同様に好成績を収めており、その両枠と板挟みになる4~6枠馬からは勝ち馬が出ていない。

また牝馬限定のハンデ重賞だからと言って特別な馬が走りやすいわけではなく、特にディープインパクト,キングカメハメハ産駒と言った日本の主流血統が好成績を収めている。
どちらも日本ダービーレコードタイムで勝利したように、産駒にも高い競争能力と才能を伝える父系でありながら斤量の恩恵を得ることができる条件なことが大きな要因だと推測する。

ユニコーンステークス

東京競馬場のみに存在するJRA唯一ダートマイルコースで行われる3歳限定ダート重賞のひとつ、スタート部分が芝コースを横切る形となっており、独特な適正を要求されやすい条件となっている。
当コースにおける血統の適正や枠順の有利不利などは過去記事と同内容になってしまうため割愛させていただきます。※下記記事の武蔵野S項をご参照ください。
chichicastenango.hatenablog.com

4月末から先週までに行われた当コース3歳限定戦の傾向として、内枠が不利になりやすいコース形状らしく外枠馬が優勢な傾向が見られている。

開催を通じて雨の影響を受けた馬場でレースが行われることも少なくなく、JRA発表の馬場状態が稍重~不良で行われたレースにおいては枠の内外による不利は少なくなる傾向も見られた。

ただし、道悪で行われた出走頭数が15頭以上でのレースに関しては外枠馬が特に恵まれやすいバイアスが発生しており、最内枠へ入った馬の成績は壊滅的な状況となっている。

今開催の東京ダートは34秒台の上がりが複数回記録されているように、砂質,路盤状態が芝適正の高い馬に向いた特に軽いコンディションとなっており、最初のコーナーを9番手以下で通過した差し,追い込み馬や外枠馬に注目したい。




近10年の当レース傾向としては、前走1勝クラスへ出走していた馬は苦戦傾向、OPクラス以上のレースへ出走していた馬は堅実で前走1800m以上の長い距離を経験していることも有利になりやすい。