競馬マイノリティ

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平安S/オークス

平安ステークス

京都競馬場改修工事に伴って昨年に引き続き中京ダート1900mでの施行。
先週の傾向は雨の影響を受けたことにより脚抜き良く時計も出やすい馬場コンディション、コース形状も相俟って先行した馬がスピードを持続しやすいタイムトライアル的なレースが続き特にコースロスが少ない内枠馬が有利になりやすい状況。

今週も週末は不安定な天候ながらも雨の影響は少ない予報、良馬場で行われた開幕週全12レースの傾向としては5~8枠で9勝を挙げているように外枠馬が恵まれやすい傾向が見られたためレース当日の天候には注意を払いたい。

通常時は中京ダート1900mコースでOPクラス以上のレースは行われないが、代替開催中に行われた全5レースの傾向としてJRA発表の馬場状態が良で行われたレースにおいては3コーナーを後方通過した差し馬や捲った馬、稍重以上の道悪で行われたレースにおいては3コーナー通過までに先団に取り付いて先行した馬や逃げ馬が有利になりやすい傾向が見られた。
本来行われない条件なことから一度適正を見せているリピーターへも向いたレースと言える。




血統的には、最初のコーナーまでの距離が長い左回り長距離レースは国内では他になく、ダートが主流のアメリカで行われているクラシック競走の一つプリークネスS(約1911m)がこの条件に近い。
このためダートが主流のアメリカで繁栄する血統の活躍が目立つ、日本の主流血統であるサンデー系の中ではアメリカダートG1馬を輩出したハーツクライ産駒オルフェーヴル産駒に適した舞台。

当レースの近10年の傾向としては、賞金を積んで出走へ漕ぎ着けてきた勢いある4,5歳馬が好調、別定戦なことから重い斤量を背負った馬は堅実に走る。
現在JRAでは年2回しか行われていない1900m以上のダート重賞でもあることから前走で2000m以上のレース経験馬の成績が特に優秀、また関東馬からは1頭も3着内好走馬が出ていない点にも注目しておきたい。



優駿牝馬(オークス)

今開催の東京芝コースはAコース時は外枠優勢、ディープインパクト産駒の成績が優れていたように外を回す差し馬が有利になりやすい馬場コンディション。※下記記事参照
chichicastenango.hatenablog.com

先週からBコースへ替わり、芝で行われた全11レースの傾向としては内外比較的フラットな傾向が見られた。
見た目には内ラチ沿いの傷みはカバーされたものの直線では先行馬が伸びないラチ沿いを避ける進路取りをすることが度々見られる。
そのため上級クラスやフルゲートのレースでは、Aコース時から状態の良い馬場中ほどに進路を求めやすい3~6枠の中枠馬に有利になりやすく、進路を選びづらい最内枠や大外を回すコースロスが大きい大外枠にとっては物理的な不利発生している状況。
結果として末脚を活かせづらいレース展開になりやすいため、好調だったディープインパクト産駒とは真逆の先行持続力に長けるハーツクライ産駒やキングマンボ系の台頭が見られた。


近10年の当レース傾向としては、牝馬の番組構造として桜花賞後まで芝2000m以上の牝馬限定重賞が行われずマイル前後の重賞が多い。
これによってオークスでは大幅な距離延長を強いられやすく、前走で2000m以上の距離を経験している馬が相対的に有利になりやすい。

大幅な距離延長を強いられながらも一定の成果を収め続けている桜花賞組は自身の能力の高さだけで距離を克服するケースがほとんど。
桜花賞で5人気以内に支持されていた馬、中でも1,2人気に推されていた馬に関しては能力の担保が大きいため堅実に走る。

血統傾向としては、ディープインパクト産駒が当レース3着内好走馬の半数近くを占める。
しかし、Bコースの馬場傾向とは真逆関係にあるため鵜呑みにはできない。
また、近2年続けてステイゴールド系のゴールドシップ産駒が好走しているように過去にはフランケル産駒やバゴ産駒といった欧州で実績を残している血統が活躍する舞台。
欧州クラシックも日本の牝馬クラシック戦線同様にクラシック1冠目1000,2000ギニーからオークス,ダービーで800m近い大幅な距離延長を求められるレース番組の構造となっていることが、日本のオークスにおいてもフィットしやすいのだろう。