競馬マイノリティ

競馬に学び、競馬を楽しむ。

札幌2歳S/小倉2歳S/新潟記念

※昨年の記事はこちらからもご覧いただけます。
chichicastenango.hatenablog.com

札幌2歳ステークス

  • 先週の傾向

今年の開催最終週を迎える札幌競馬場芝コースは6週使い込まれたことで芝の傷みも進み、時計のかかるタフな路盤へと推移。
先週行われた芝での全14レースで1枠馬から勝ち馬が出なかったように内ラチ沿いを立ち回る馬が不利になりやすい馬場コンディション。
加えて先週土曜は向こう正面では強い向かい風を受けることでペースが落ち着きやすく、直線では強い追い風を受ける風向きだったこともあり3コーナーから捲った馬が恵まれやすく、内ラチ沿いを走った馬たちが馬場の悪い部分を通らざるを得ない物理的な不利が発生していた。
日曜は前日ほど強い風が吹いておらず、前日の傾向を鵜呑みにした騎手たち意識変化によって直線では馬群が外へ広がったため内枠馬が不利になりづらい状況も見られていたことから今週も騎手が選択する進路に注目しておきたい。
特にスタート後ホームストレッチを走ることになる芝1800~2000mでは馬場の悪い部分を走らざるを得ない内枠馬が物理的な不利を受けるため、外枠から先行できる馬が特に有利になりやすい状況が見られている。

  1. 先週札幌芝枠別成績
  2. 先週札幌芝脚質別成績
  3. 先週札幌芝1800~2000m枠別成績
  4. 先週札幌芝1800~2000m脚質別成績
  • 近10年の札幌芝5~8日間傾向

札幌はコーナーの半径も緩く、起伏もないため道中での減速要素が少ない平坦な競馬場となっており、コースロスを最小限で済ませやすい内枠馬が有利になりやすいコース構造だが、開催終盤にもなると内ラチ沿いの芝の傷みが進むことにより内枠であるメリットが少なくなる。
しかし、先行馬や道中から動いて行ける機動力があるタイプの馬が適正面で有利になりやすいことには変わりなく、当レースが行わる芝1800mコースの2歳限定戦においては大外枠へ入った先行馬や道中から動いていけるだけの機動力があるタイプの馬が有利になりやすい傾向が見られている。
※Cコース馬場傾向に関してましては下記記事の札幌記念項も併せてお読みいただけますと幸いです。
chichicastenango.hatenablog.com

  1. 近10年札幌芝,Cコース5~8日間枠別成績
  2. 近10年札幌芝,Cコース5~8日間脚質別成績
  3. 近10年札幌芝,2歳限定戦,Cコース5~8日間枠別成績
  4. 近10年札幌芝,2歳限定戦,Cコース5~8日間脚質別成績
  5. 近10年札幌芝1800m,Cコース5~8日間枠別成績
  6. 近10年札幌芝1800m,Cコース5~8日間脚質別成績
  7. 近10年札幌芝1800m,2歳限定戦,Cコース5~8日間枠別成績
  8. 近10年札幌芝1800m,2歳限定戦,Cコース5~8日間脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

当レースの傾向としてデビューしてまもない成長過程にある馬同士でのレースとなることから、前走までにレースで経験したことが結果に反映されやすいことが特徴。
札幌競馬場はJRA全場で北海道開催2場でのみ生育されているオール洋芝コース、加えて開催最終週の使い込まれた馬場であることから体力が完成し切っていない成長過程にある2歳馬にとってはタフで過酷な条件となりやすい。
このことからJRAよりも早い時期からレース経験を積んでいる北海道競馬所属馬や前走で札幌よりも起伏が多いタフな函館開催を経験している馬は有利。
前走から出走間隔を長く空けることができた馬も心身共にフレッシュな状態でレースへ臨めることから好走傾向にあり、特に出走頭数も揃いやすく素質馬の出走率も高い東京開催を勝ち上がった馬は約2ヶ月以上間隔を取れること含めて人気以上に優秀な成績を収めている。
また近年当レースの象徴的な種牡馬となっているゴールドシップ産駒と相性が良く、好走馬を馬体重別で見ると459kg以下の小柄な馬の活躍が目立っている。
ゴールドシップの父ステイゴールドはキャリア50戦の競走生活の中で馬体重が430kg台を上回ることが一度もなかった小柄な馬であったように現役時に小柄な馬体ながら活躍していた父を持つ種牡馬にも注目しておきたい。
開催最終週に行われる2歳重賞なことから芝の荒れていない部分を立ち回りやすい外枠馬が有利になりやすく、中でも大外7,8枠へ入った馬には特に注目しておきたい。

  • 近10年性別,所属別成績
  • 近10年馬体重別成績
  • 近10年馬体重別成績※牡馬限定
  • 近10年馬体重別成績※牝馬限定
  • 近10年前走競馬場別成績
  • 近10年出走間隔別成績
  • 近10年種牡馬別成績※13年函館開催除く
  • 近10年枠別成績※13年函館開催除く
  • 近10年脚質別成績※13年函館開催除く

小倉2歳ステークス

  • 先週の傾向

こちらも今年の開催最終週を迎える小倉芝コースは先々週からBコースへと替わり、雨の影響を受けたこともあり外枠馬が有利になりやすい馬場コンディション。しかし、馬場が乾いた日曜後半のレースでは内ラチ沿いを立ち回った馬の不利が解消され比較的フラットな馬場へと推移、先週も雨の影響を受けなかったため枠による有利不利は比較的少なかったが、開催後半へ差し掛かり路盤の状態もタフになってきたため道中後方からレースを進めた馬には厳しいスピード持続力が求められやすい状況。
特に芝1200mで行われた全4レースの対馬8頭中6頭が1~3枠へ入った内枠馬であったことに加えて、逃げ馬も4頭中3頭が3着内へ好走しているように道中馬場内側の良い部分をロスなく立ち回った先行馬の活躍が目立った。

  1. 先週小倉芝コース全体枠別成績
  2. 先週小倉芝コース全体脚質別成績
  3. 先週小倉芝1200m枠別成績
  4. 先週小倉芝1200m脚質別成績
  • 近2年小倉夏開催最終日の傾向

京都競馬場改修工事に伴う変則日程のため近2年で小倉芝コースの馬場造りは大きく変化しており、20年以上更新されていなかったアグネスワールドが記録したレコードタイムが塗り替えられるほどの劇的な変化が見られている。
直近2年の小倉夏開催最終日に行われた芝コースの傾向として1枠馬から勝ち馬は出ておらず、対照的に5~8枠へ入った外枠馬が恵まれやすい状況が見られている。
また先週の傾向同様に道中後方からレースを進めた馬には厳しい展開を強いられやすい傾向が見られているが、今週末は台風の影響による天候悪化の予報があることから当日の馬場状況には注意しておきたい。

  1. 近2年小倉夏開催最終日芝コース全体枠別成績
  2. 近2年小倉夏開催最終日芝コース全体脚質別成績
  3. 近2年小倉夏開催最終日芝1200m枠別成績
  4. 近2年小倉夏開催最終日芝1200m脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

当レースに限らずデビューしてまもない成長過程にある2歳馬同士での重賞レースでは前走までにレースで経験したことが結果に反映されやすい。
北海道よりも気温が高い九州地方での開催は体力の完成し切っていない馬にとっては過酷、これに輸送による体力の消耗と環境の変化が加わるため前走で関西圏のレースへ出走していた馬は輸送距離も新たな環境への対応も少なく済ませやすい。
同様に前走からの出走間隔が長く取れた馬も心身共にフレッシュな状態でレースへと望みやすく相対的に有利。
レース経験が少ない馬同士ながら競馬へ前向きな気性の馬たちが集う芝スプリント重賞ということもあり、前走で出走頭数12頭以上での道中ペースが流れやすい多頭数レース経験が活きる。
また大幅に馬場造りが変化している近2年の当レース3着内好走馬6頭中5頭が大外7,8枠へ入った馬であったように外枠が有利になりやすい状況が見られている。
そして、先週の傾向とは異なり近10年で逃げた馬の3着内好走は僅かに1頭のみ、対照的に中団~後方からレースを進めた馬が恵まれやすい点には注意したい。

  1. 近10年性別,所属別成績
  2. 近10年前走競馬場別成績
  3. 近10年出走間隔別成績
  4. 近10年前走出走頭数別成績
  5. 近10年枠別成績
  6. 近2年枠別成績
  7. 近10年脚質別成績
  8. 近2年脚質別成績

新潟記念

  • 先週の傾向

夏開催最終週を迎える新潟芝外回りコースはJRAで唯一野芝の生育のみで開催が行われていることもあり、開催後半になるほど内ラチ沿いの芝の傷みが進むことから馬場外側へ進路を求めやすい外枠馬が有利になりやすいトラックバイアスが発生する。
しかし、今年も昨年に引き続き開催前に大幅な芝の張替えが行われたことが馬場内側の状態が極端に悪くなりすぎていないことから最内枠であっても不利を受けづらい状況。
これによって体力が完成している古馬においては特に内枠から先行することによる馬場内側の状態の悪い部分を通らざる得ない物理的な不利に伴った体力の消耗度合いが少ない点に注意しておきたい。

  1. 先週新潟芝1600~2000m(外)枠別成績
  2. 先週新潟芝1600~2000m(外)脚質別成績
  3. 先週新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦枠別成績
  4. 先週新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦脚質別成績
  • 近2年新潟夏開催最終日芝外回りコースの傾向

※下記記事アイビスSD項参照
chichicastenango.hatenablog.com
昨年は福島競馬場震災被害に伴う代替開催が行われたことで夏開催前に大幅な芝張替えが行われたが、今年も昨年と同程度の芝張替えが行われている。
また京都競馬場改修工事に伴って小倉同様に新潟芝コースも馬場造りに変化が生じており、今年の夏開催はレコードタイムが複数更新されていることからも直近2年の新潟夏開催最終日に行われた芝外回りコースの傾向を参考にする。
やはり馬場が荒れた開催最終日ともなると大外8枠馬が圧倒的に優秀な成績を収めており、当レースが行われる芝2000mコースではより顕著な傾向として現れている。
これによって特に逃げ馬は直線での進路選択が難しく、日本で最も長い直線距離を誇る外回りコースが故に道中後方からレースを進めたい馬たちにとって都合の良い目標となってしまいやすいことから苦戦を強いられている。

  1. 近2年新潟夏開催最終日芝1600~2000m(外)枠別成績
  2. 近2年新潟夏開催最終日芝1600~2000m(外)脚質別成績
  3. 近2年新潟夏開催最終日芝2000m(外)枠別成績
  4. 近2年新潟夏開催最終日芝2000m(外)脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

当レースの傾向としてサマー2000シリーズ終戦という背景もあることから前走でサマー2000対象レースへ出走していた馬は当レースへの本気度合いが高い。
夏のハンデ重賞ということもあり斤量負けしないだけの馬体を持った500kgを超えるような大型馬も有利になりやすい。
しかし、新潟競馬場は起伏の少ない平坦かつ日本一長い直線距離を有する外回りコースであることからトップスピードへ乗せづらい重いハンデを科せられた馬は自身が残した実績に反して苦戦傾向にある。
長い直線でのスピード比べという点からディープインパクト,キングカメハメハ,ステイゴールドら日本のリーディング上位種牡馬の産駒は適正面で有利になりやすい。
また馬場造りが変化が見られている近2年の当レース3着内好走馬6頭中4頭が大外8枠へ入った馬、6頭中5頭が道中中団~後方から競馬を進めていた馬であったように大外枠,差し・追い込み馬が有利になりやすい状況が見られている。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年前走クラス別成績
  3. 近10年前走レース別成績
  4. 近10年斤量別成績
  5. 近10年馬体重別成績
  6. 近10年種牡馬別成績
  7. 近10年枠別成績
  8. 近2年枠別成績
  9. 近10年脚質別成績
  10. 近2年脚質別成績

当たりの柔らかい女性騎手で激変!?ガサツな騎手は嫌いな父ステイゴールド系産駒

db.netkeiba.com

血統

父は大種牡馬サンデーサイレンス×母ゴールデンサッシュは未勝利馬ながら全兄にマイルG1を2勝したサッカーボーイがいる。
2代母ダイナサッシュは父ノーザンテーストの影響を強く受けた馬なこともあり、ステイゴールド自身はキャリア50戦を数えるタフネスホースでもあった。
そして、節目の50戦目がラストランとなった香港ヴァーズで悲願のG1制覇を成し遂げ、日本生産日本調教馬による初海外G1制覇の快挙となった。

特徴

ステイゴールドと言えば凄まじい闘争心の源となっている荒々しい気性で多くの関係者の手を焼いた馬としても有名。
調教中に他馬に乗りかかる、噛みつくなどの行為に及ぼうする他に人に対しても噛みつきや尻っ跳ねで威嚇するなど気難しさを露呈した。
レース中でも鞭を入れるとヨレる、コースから逸走や騎手を振り落とすなどとにかく我が強い馬であった。

ステイゴールドの血を引いた産駒にも我が強い激しい気性が受け継がれているおり、自身の意に沿わない行為には反抗的な一面がしばしば見られる。
このため高い競争能力を持っていながら競馬へ前向きになれない産駒が多い。
しかし、馬の気分を損なわない「当たりが柔らかい」とされる騎手でレースへ臨むと見違えるようなパフォーマンスを見せることがある。
取り分け腕っぷしの強さで馬を抑えようとしがちな男性騎手から比較馬の扱いが丁寧で繊細とされる女性騎手への乗り替わりで激変を見せている。

近年はJRA所属の女性騎手や短期免許等で来日する海外で活躍している女性騎手も増えてきていることからこのパターンには注目しておきたい。

リサ・オールプレス

永島まなみ

キーンランドC/新潟2歳S

キーンランドカップ

  • 先週の傾向

先週からCコース替わりとなった札幌芝コースは、内ラチ沿いの傷みはカバーされたものの開催後半に差し掛かった使い込まれた路盤に加えて降雨と強い風の影響を受けたことで時計のかかるタフな馬場コンディション。
芝1500m以下で行われた6つのレースで3コーナーまでに先頭に立った馬は7頭、その内終始先頭を譲ることなく4コーナーを通過した5頭で4勝,3着1回と逃げ馬が有利になりやすく差し・追い込みが決まりづらい状況。
逃げて好走した5頭は馬番1~6の内枠馬であったように、当日の馬場傾向次第では内枠へ入った逃げ・先行馬に注意しておきたい。

  1. 先週札幌芝1200~1500m枠別成績
  2. 先週札幌芝1200~1500m脚質別成績
  • 近10年の札幌芝Cコース替わり1~4日間傾向

札幌はコーナーの半径も緩く、起伏もないため道中での減速要素が少ない平坦な競馬場となっており、コースロスを最小限で済ませやすい内枠馬が有利になりやすいコース構造。
これにCコース替わりが加わると当レースが行われる芝1200mコースでは特に内ラチ沿いの傷みが大幅にカバーされていることから最内枠が特に有利になりやすいのが特徴だ。
ただし、先週のように雨の影響が残る馬場でレースが行われた近10年の札幌芝1200mのCコース傾向としては、外枠馬の不利が少なくなる傾向が見られていることからレース当日の馬場状態には十分注意しておきたい。
※Cコース馬場傾向に関してましては下記記事の札幌記念項も併せてお読みいただけますと幸いです。
chichicastenango.hatenablog.com

  1. 近10年札幌芝1200m,Cコース1~4日間枠別成績
  2. 近10年札幌芝1200m,Cコース1~4日間脚質別成績
  3. 近10年札幌芝1200m,Cコース1~4日間枠別成績※馬場状態:稍重
  4. 近10年札幌芝1200m,Cコース1~4日間脚質別成績※馬場状態:稍重
  • 近10年のレース傾向

当レースの特徴として出走した牝馬全ての単勝を買い続けても回収率がプラスになってしまうほど牝馬と相性が良いレース。
牝馬は3歳春までに多くの芝マイル重賞が行われるレース番組の構造となっていることから生産・育成の段階からマイル寄りの適正に秀でた馬が多くなりやすく、血統面から紐解いて見てもディープインパクトダイワメジャーなど現役時はクラシックで実績残した中距離以上でも活躍馬を輩出する父系短距離戦線で活躍する産駒を輩出しながらも自身は芝マイルG1でも連対実績がある父系の産駒が活躍していることからスプリント適正とはズレた能力が要求されている。
マイル~中距離指向のスタミナが要求されやすいレース質となるため、スプリント重賞としては珍しく外枠馬道中で中団より後ろに構えていた差し馬の活躍も目立っており、近10年でJRA発表の馬場状態:稍重で行われた当レースにおいては特にその傾向が強まっている点にも注目しておきたい。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年前走距離別成績
  3. 近10年種牡馬別成績※13年函館開催除く
  4. 近10年種牡馬別成績※牝馬のみ,13年函館開催除く
  5. 近10年枠別成績※13年函館開催除く
  6. 近10年脚質別成績※13年函館開催除く
  7. 近10年枠別成績※馬場状態:稍重,13年函館開催除く
  8. 近10年脚質別成績※馬場状態:稍重,13年函館開催除く

新潟2歳ステークス

  • 今開催の傾向

先週までに4週8日間の開催を終えた新潟芝コースは雨の影響をしばしば受けた中でレースが行われたこともあり、直近2週4日間の傾向として芝外回りコースにおいては特に外枠馬が有利になりやすい馬場状況へと推移。
開催が進んだことで最後の直線では芝の傷みが少ない馬場外側へ進路を取りやすい外枠馬や中団より後方へ構えていた差し馬の台頭も見られ始めた。
当レースの出走条件と同じくデビューしてまもない2歳馬同士でのレースにおいても古馬同様の傾向が見られている。

  1. 新潟芝1600~2000m(外),全体枠別成績(7/30~8/21)
  2. 新潟芝1600~2000m(外),全体脚質別成績(7/30~8/21)
  3. 新潟芝1600~2000m(外),全体枠別成績(7/30~8/21)※2歳限定戦のみ
  4. 新潟芝1600~2000m(外),全体脚質別成績(7/30~8/21)※2歳限定戦のみ
  5. 新潟芝1600~2000m(外),全体枠別成績(8/13~8/21)
  6. 新潟芝1600~2000m(外),全体脚質別成績(8/13~8/21)
  7. 新潟芝1600~2000m(外),全体枠別成績(8/13~8/21)※2歳限定戦のみ
  8. 新潟芝1600~2000m(外),全体脚質別成績(8/13~8/21)※2歳限定戦のみ
  • 近10年のレース傾向

当レースの傾向としてデビューしてまもない成長過程にある馬同士でのレースとなることから、前走までにレースで経験したことが結果に反映されやすいことが特徴。
当コースはJRA全場で最も長い直線距離を有する左回りの競馬場であることから前走で新潟コースを経験している馬または新潟同様左回りでレースが行われ直線距離も長い東京,中京競馬場でのレースへ出走していた馬は体力が完成し切っていない2歳馬という観点からレースで負ったダメージが癒えた状態で出走できるため好走傾向にある。
2歳馬が迎える初めての芝マイル重賞ながら前走でマイル前後の距離のレースへ出走していた馬が多く出走してくることもあり、重賞特有の道中での追走ペースの流れに乗ること重要なため前走で道中ペースが速い1200mへの出走経験フルゲート近い多頭数で競ったレース経験が活きやすい。

この時期は馬自身の素質も然る事ながらデータや経験が少ないため血統による適正の判別も有効、近10年で最も活躍馬を輩出するダイワメジャー新馬戦で546kgという馬体重でデビューした大型馬であったように産駒も筋肉量が豊富で2歳夏から高いスピード能力を発揮するだけの体力を伝える傾向が強い種牡馬
またJRAリーディング上位種牡馬以外からも勝ち馬が複数頭出ており、ローエングリン,ホワイトマズル,グレンイーグスらはいずれも欧州競馬で実績を残した大系統ノーザンダンサー種牡馬であった。
また当レースは短距離重賞のカテゴリーではあるものの、スプリント戦とは異なり道中での折り合いも重要なため逃げ・先行馬が苦戦傾向にある点には注意しておきたい。

  1. 近10年性別,所属別成績
  2. 近10年前走競馬場別成績
  3. 近10年前走距離別成績
  4. 近10年前走出走頭数別成績
  5. 近10年出走間隔別成績
  6. 近10年種牡馬別成績
  7. 近10年枠別成績
  8. 近10年脚質別成績

北九州記念/札幌記念

北九州記念

  • 先週の傾向

京都競馬場改修工事に伴う変則日程で今年も昨年同様に2週開催休みを挟んでレースが行われた先週の馬場は、7月同様にレコードタイムに迫るほどの時計が記録される軽い馬場コンディションであった。
しかし、先月開催1,2週目の内枠馬や先行馬が恵まれやすいタイムトライアル的なレースが頻発しやすかった状態とは打って変わり外枠馬の台頭が目立っており、特に芝1200m戦では、勝ち馬は7,8枠、連対馬は5~8枠からのみの好走であったように明らかなバイアスが発生。
中団以降に構えていた馬の差しも届きやすい路盤へと推移し始めていたことが傾向から見て取れる。

  1. 先週小倉芝コース全体枠別成績
  2. 先週小倉芝コース全体脚質別成績
  3. 先週小倉芝1200m枠別成績
  4. 先週小倉芝1200m脚質別成績
  5. 7月1,2週目小倉芝コース全体枠別成績
  6. 7月1,2週目小倉芝コース全体脚質別成績
  7. 7月1,2週目小倉芝1200m枠別成績
  8. 7月1,2週目小倉芝1200m脚質別成績
  • 近10年8,9月小倉芝Bコース替わり傾向

今年も昨年と同じ開催日程を辿っているが、唯一異なる点として今週からBコースを使用してレースが行われる。
近10年に行われた夏の小倉開催Bコース1,2週目の傾向として、外枠馬や逃げ・先行馬が有利になりやすい傾向が見られている。
先週の傾向では、外枠へ入った差し馬の台頭が見られ始めていたことからもレース当日までの傾向には十分注意しておきたい。

  1. 近10年8,9月小倉芝全体,Bコース1~4日間枠別成績
  2. 近10年8,9月小倉芝全体,Bコース1~4日間脚質別成績
  3. 近10年8,9月小倉芝1200m,Bコース1~4日間枠別成績
  4. 近10年8,9月小倉芝1200m,Bコース1~4日間脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

今週からBコース替わりとなるため、近10年Aコース最終週に行われている当レースの傾向は参考にならない可能性があります。
当レースの特徴として、ハンデ戦の芝スプリント重賞なこともあるため如何に早くトップスピードに乗せることができるかが重要となる。
このため斤量の恩恵を受けやすいことから重い斤量を背負いやすい実績馬よりもキャリアの浅いフレッシュな3,4歳馬や前走で条件戦へ出走していた馬が好走傾向にある。
スプリント重賞のイメージとして筋肉量豊富な大型馬が活躍する印象が強く思われがちだが、当レースにおいては479kg以下の比較的小柄な牡・騙馬480kg以上の大型牝馬が活躍している点にも注目しておきたい。
例年であればAコース最終週に行われている当レースは、芝の傷みの進行に伴ってフルゲート18頭で争われこともあるコースであっても大外枠が不利になりづらいのも特徴である。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年斤量別成績
  3. 近10年前走クラス別成績
  4. 近10年馬体重別成績
  5. 近10年馬体重別成績※牡・騙馬のみ
  6. 近10年馬体重別成績※牝馬のみ
  7. 近10年枠別成績

札幌記念

  • 先週の傾向

先週がAコース最終週となった札幌芝コースは雨の影響を受けた馬場でレースが行われた。
これによって芝で行われた全14レースでは7,8枠から3着内好走馬42頭の半数近くに達する18頭が好走、加えて逃げた馬の半数が3着内へ好走しているよう外枠へ入った先行馬が有利になりやすい状況。
コーナーを4回通過することになる芝1800~2000m戦においても同様の傾向が見られており、雨の影響で明らかなトラックバイアスが発生していたことが見て取れる。

  1. 先週札幌芝コース全体枠別成績
  2. 先週札幌芝コース全体脚質別成績
  3. 先週札幌芝1800~2000m枠別成績
  4. 先週札幌芝1800~2000m脚質別成績
  • 近10年札幌芝Cコース替わり傾向

今週からAコースからCコース替わりとなるため内ラチ沿いの芝の傷みが大幅にカバーされる。
札幌はコーナーの半径も緩く、起伏もないため道中での減速要素が少ない平坦な競馬場となっており、コースロスを最小限で済ませやすい内枠馬が有利になりやすいコース構造。
逃げ馬や道中から動いて行ける機動力があるタイプの馬が適正面で有利になりやすく、これにCコース替わりも加わって当レースが行われる芝2000mコースでは特に大外8枠へ入った馬が物理的な不利を受けやすいのが特徴だ。
ただし、先週のように雨の影響が残る馬場でレースが行われた近10年の札幌Cコースの傾向としては外枠馬の不利が少なくなる傾向が見られており、芝2000mコースにおいては道中で中団より後ろへ構えていた馬も成績を伸ばしているように内枠を過信しすぎることは禁物と言える。
レース当日の馬場状態には十分注意しておきたい。

  1. 近10年札幌芝全体,Cコース1~4日間枠別成績
  2. 近10年札幌芝全体,Cコース1~4日間脚質別成績
  3. 近10年札幌芝全体,Cコース1~4日間枠別成績※馬場状態:稍重~重のみ
  4. 近10年札幌芝全体,Cコース1~4日間脚質別成績※馬場状態:稍重~重のみ
  5. 近10年札幌芝2000m,Cコース1~4日間枠別成績
  6. 近10年札幌芝2000m,Cコース1~4日間脚質別成績
  7. 近10年札幌芝2000m,Cコース1~4日間枠別成績※馬場状態:稍重~重
  8. 近10年札幌芝2000m,Cコース1~4日間脚質別成績※馬場状態:稍重~重
  • 近10年のレース傾向※13年(函館開催),21年(札幌Aコース)除く

昨年はオリンピック開催に伴う変則日程によりAコースでレースが行われたが、当レースの傾向として出走頭数自体が少ないものの牝馬や3歳馬が好走傾向にある。
コーナーの半径も緩く、起伏もないコース形状なことから上級条件になるほど道中を速く追走する短距離指向のスピードが求められやすい。
このため前走で東京競馬場のレースへ出走していた馬中でもマイル戦に出走していたトップスピードに長けた馬は当レースへ高い適正を示している。
札幌は洋芝を生育している競馬場ではあるが、ディープインパクトキングカメハメハに代表される日本の主流血統やリーディング上位種牡馬を父に持つ馬のスピードが活かしやすいのも特徴。
また前述の通りコース形状とCコース替わりによって当レースも1枠馬が4勝を挙げているように内枠馬が有利になりやすい傾向が見られているが、当レースはG1馬が複数頭出走してくるスーパーG2としても有名。
ハイレベルなメンバーでのレースとなるため、逃げ馬には厳しい展開が強いられやすく道中で中団より後ろに構えていた差し馬の活躍も目立っている。
JRA発表の馬場状態:稍重で行われたレースにおいては、最内・大外枠逃げ・追い込み馬など極端な枠や脚質の馬が活躍している点にも注目しておきたい。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年前走競馬場別成績
  3. 近10年前走距離別成績
  4. 近10年種牡馬別成績
  5. 近10年枠別成績
  6. 近10年脚質別成績
  7. 近10年枠別成績※馬場状態:稍重
  8. 近10年脚質別成績※馬場状態:稍重

誰を付けてもスプリンター!短距離適性の主張が激しい名牝系トキオリアリティー

db.netkeiba.com

血統

自身は競走馬として芝・ダート短距離戦で3勝するに留まったが、繁殖として代表産駒にリアルインパクト,ネオリアリズムなどのG1馬を輩出した。
また自身が残した産駒からも春秋芝マイルG1馬インディチャンプらを輩出するなど主にスプリント~マイル路線で活躍する馬を数多く送り出している。

メドウレイクは競走馬として3戦全勝。デビュー戦で2着馬に22馬身差をつける圧巻のパフォーマンスで勝利を飾ると続くG1アーリントンワシントンフューチュリティでも2着馬に8馬身3/4差をつけてG1初制覇、次走も順当に勝利重ねたものの自身の圧倒的なスピードに身体が耐えられなかったためか脚を故障しそのまま現役引退となった。
メドウレイクの代表産駒にアメリカダートG1を6勝、エクリプス賞2歳牝馬チャンピオンに輝くなど『史上最も偉大な2歳牝馬の1頭』と評されたメドウスターを輩出している。
トキオリアリティーは父メドウレイク×母系にインリアリティ,マイバブーの血を併せ持つメドウスターとニアリー配合馬。
db.netkeiba.com

特徴

父メドウレイクの圧倒的なスピードとアメリカ血統らしい豊富な筋肉量を受け継ぎやすいことから馬体重が500kgを超えるような大型馬や2歳時から活躍する仕上がりの早い産駒が多い。
デビューしてまもなく勝ち上がるような産駒は初めて出走した重賞レースでも道中ペースの違いに戸惑うことなく自身のポテンシャルを遺憾なく発揮する傾向にある。
またディープインパクト,ネオユニヴァース,エルコンドルパサーなど日本のクラシック血統やダート中長距離路線で活躍する産駒を多く輩出している父と配合された馬であっても短距離指向の適正に振れてしまうほど母自身の主張が強いため特に注意を払う必要がある。

小倉記念/関屋記念/ジャック・ル・マロワ賞

小倉記念

  • 今開催の傾向と昨年開催の傾向

京都競馬場改修工事に伴う変則日程で今年も昨年同様に2週開催休みを挟んだ馬場でレースが行われる。
今開催の小倉芝コースは、開幕週からレコードタイムが複数記録されたように速い時計が出やすい昨年近い軽い馬場コンディション。
路盤が抜群に軽いこともあり、タイムトライアル的なレースが頻発したことで内ラチ沿いをコースロスなく立ち回れる内枠馬逃げ・先行が有利になりやすい状況。
昨年夏開催も今年同様の傾向を示している通り、軽い馬場コンディションでレースが行われるようであれば特に注目しておきたい傾向と言える。
※馬場傾向に関してましては下記記事も併せてお読みいただけますと幸いです。
chichicastenango.hatenablog.com

  1. 今開催小倉芝2000m,古馬混合戦枠別成績
  2. 今開催小倉芝2000m,古馬混合戦馬番別成績
  3. 今開催小倉芝2000m,古馬混合戦脚質別成績
  4. 21年7,8月開催Aコース,小倉芝2000m,古馬混合戦枠別成績
  5. 21年7,8月開催Aコース,小倉芝2000m,古馬混合戦馬番別成績
  6. 21年7,8月開催Aコース,小倉芝2000m,古馬混合戦脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

当レースの特徴として3~5歳馬が3着内好走馬の大半を占めているように、フレッシュな若駒前走条件戦へ出走していた近走上昇中の馬ハンデ戦なこともあって斤量面で特に有利になりやすい。
当コースは4コーナーのポケット地点からスタートして最初のコーナーまで約470mと十分な距離があることから外枠馬が先行争いで不利になりにくい。
このため先行争いで内外から板挟みの形になる中枠馬はポジション争いで不利を受けやすいためか4,5枠から勝ち馬が出ておらず、内外枠に偏る傾向が見られている。
この時期は台風など天候の影響を受けやすいこともあってレース当日の馬場状態が結果に反映されることが少なくなく、JRA発表の馬場状態が良馬場で行われたレースではコースロスの少ない内枠馬が有利になりやすく、馬場状態が稍重~不良馬場で行われたレースでは芝の荒れていない馬場外側に進路を取りやすい外枠馬に有利に働きやすいため、変則日程の中で行われた直近2年のレース傾向では特に顕著に表れている。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年斤量別成績
  3. 近10年前走クラス別成績
  4. 近10年枠別成績
  5. 近10年馬場状態:良,枠別成績
  6. 近10年馬場状態:稍重~不良,枠別成績
  7. 21年小倉記念,馬場状態:稍重
  8. 20年小倉記念,馬場状態:良

関屋記念

  • 今開催の傾向と昨年開催の傾向

昨年は震災の影響を受けた福島開催の代替開催が新潟競馬場で行われたことで、大規模な芝の張替えが行われた馬場でレースが行われた。
直線内ラチ沿いの芝が特に青々しく映るほどの絶好の馬場コンディションだったこともあり内枠馬が恵まれやすいトラックバイアスが発生していた。
今年も昨年と同程度の芝張替えを行った馬場で今開催を迎えており、レコードタイムも記録されるような軽い路盤なこともあって内ラチ沿いをコースロスなく立ち回れる内枠馬が有利になりやすい状況。
特にこの時期の新潟を狙って出走させてくる陣営も多いことから多頭数でのレースが組まれやすいため、馬番11~18へ入った馬は物理的に芝張替えによるトラックバイアスの恩恵を受けづらくなっている。
※馬場傾向に関してましては下記記事も併せてお読みいただけますと幸いです。
chichicastenango.hatenablog.com

  1. 今開催新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦枠別成績
  2. 今開催新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦馬番別成績
  3. 今開催新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦脚質別成績
  4. 21年7,8月開催Aコース,新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦枠別成績
  5. 21年7,8月開催Aコース,新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦馬番別成績
  6. 21年7,8月開催Aコース,新潟芝1600~2000m(外),古馬混合戦脚質別成績
  • 近10年のレース傾向

当レースの特徴として起伏が少なく日本一長い直線距離を誇る新潟外回りコースなため直線で長くスピードを持続し続ける能力が要求されやすい舞台。
このためダート馬のような筋肉量が豊富で馬体重が500kgを超えるような大型馬に有利に働きやすく、前走で大型馬や外国産馬が活躍しやすい芝マイルG1へ出走していた馬も適正面で当レースにフィットしやすい。
直線距離も十分にあるコースなため不利を受けづらく進路の選択幅が広い外枠馬が有利になりやすい傾向も見られているものの、大規模な芝の張替えが行われた昨年は内枠馬が勝利している。
また週末は不安定な天候が予想されており、JRA全場でも指折りの排水能力を誇る新潟競馬場の路盤ではあるが、近10年でJRA発表の馬場状態:稍重で行われた14年の当レースでは内枠馬の好走が目立っていたことからも今年は当日の馬場傾向には特に注意が必要だ。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年斤量別成績
  3. 近10年馬体重別成績
  4. 近10年前走クラス別成績
  5. 近10年前走レース別成績
  6. 近10年枠別成績
  7. 21年関屋記念,馬場状態:良
  8. 14年関屋記念,馬場状態:稍重

ジャック・ル・マロワ賞

  • コースと歴史と血統

ドーヴィル競馬場で行われるフランスのマイルG1の中でも最高総賞金額を誇る直線コース1600mで争われる真夏のマイル王決定戦。
馬場は平坦で欧州の競馬場の中では起伏が無く、日本馬にとって限りなく走りやすいコースと言える。
レースレコードは2013年ムーンライトクラウド(父インヴィンシブルスピリット)が記録した1:33:39、一方で不良馬場で行われた1999年ドバイミレニアム(父シーキングザゴールド)が記録した勝ち時計は1:44:30であるように自然の地形をそのまま活かす欧州競馬場らしく10秒ほど多くかかることも特徴だ。
近年でも重馬場で行われた2014年キングマン(父インヴィンシブルスピリット)が記録した勝ち時計も1:41:90であるが、馬場状態を問わずに活躍馬を輩出しているのが父ダンチヒ系の馬である。
ダンチヒ系の中でもグリーンデザートから派生した系統の父を持つ馬と特に相性が良く、2020,21年連覇パレスピア(父キングマン)もこれ該当する。

1987,88年連覇ミエスク(父ヌレイエフ)はNHKマイルCを勝利するなど日本の大種牡馬となったダービー馬キングカメハメハの父キングマンボを輩出した名牝、1996,1997年連覇スピニングワールド(父ヌレイエフ)も同じ父系である。
当レースを1999年ドバイミレニアム(父シーキングザゴールド),2005年ドバウィ(父ドバイミレニアム),2010年マクフィ(父ドバウィ)と父仔3代制覇を達成したミスタープロスペクター系の中でもドバイミレニアムから派生した系統とも相性が良い。
同じくドーヴィル競馬場で当レースの前週に行われている直線G1モーリス・ド・ゲスト賞を当時のレースレコードで勝利した日本馬シーキングザパール(父シーキングザゴールド)も同じ父系、日本で唯一の直線コース重賞アイビスSDにおいても21年オールアットワンス(父マクフィ),22年ビリーバー(父モンテロッソ)など直近の勝ち馬はいずれも父ドバイミレニアム系であった。

また同レースを2007,08,09年3連覇を果たしたマルシャンドール(父マルシャンドサブル)も3代父がヌレイエフ、2011,12,13年3連覇ムーンライトクラウド(父インヴィンシブルスピリット)は連闘で出走した13年には両直線G1を共にレコードタイムで勝利しているようにこの条件のスペシャリスト血統は距離の融通も効きやすいのも特徴だ。
今年も父がグリーンデザート系,ドバイミレニアム系,ヌレイエフ系の出走馬を見つけることができたら少なくとも抑えておいて損はしないであろう。

  • 近10年のレース傾向

欧州競馬の一般的なイメージとして起伏の激しいタフなコースを日本以上に重い斤量を背負って競い合う光景が安易に想像できるところだが、当レースは起伏のない平坦な直線コースでのスピード持続力比べとなるため馬自身に掛かる負担は斤量とレース展開による負荷が多くの割合を占める。
このため斤量面で有利になりやすい3歳馬や牝馬が恵まれやすい傾向が見られている。
しかし、近年で6人気以下から3着内へ好走した馬5頭はいずれも牡馬であり、いずれの馬も父系がグリーンデザートまたはシャーペンアップの影響を受けている馬であったことにも注目しておきたい。

    • 近10年年齢別成績
年齢 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝
3歳 5 6 5 22 13.2% 28.9% 42.1%
4歳 3 2 5 20 10% 16.7% 33.3%
5歳 2 1 0 8 18.2% 27.3% 27.3%
6歳 0 1 0 5 0% 16.7% 16.7%
7歳 0 0 0 3 0% 0% 0%
    • 近10年性別成績
性別 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝
牡・騙 7 9 7 48 9.9% 22.5% 32.4%
3 1 3 10 17.6% 23.5% 41.2%
    • 近10年6人気以下好走馬
施行年 馬場状態 人気 着順 性齢 馬名 種牡馬 備考
21年 6人気 3着 4歳(牡) オーダーオブオーストラリア オーストラリア 父母父父グリーンデザート
17年 6人気 2着 3歳(牡) インズオブコート インヴィンシヴルスピリット 父父グリーンデザート
15年 7人気 3着 4歳(牡) ワイルドチーフ ドワイエン 父母父父シャーペンアップ
13年 6人気 2着 3歳(牡) オリンピックグローリー ショワジー 父父母父シャーペンアップ
12年 9人気 2着 6歳(牡) シティエスケープ セルカーク 父父シャーペンアップ

エルムS/レパードS

エルムステークス

  • 今開催の馬場傾向

今開催の札幌ダート1700m全体の傾向として5~8枠へ入った馬が14レース中11勝を挙げているように外枠馬が有利になりやすい状況。
開幕初日は降雨の影響を受けた脚抜きの良い馬場コンディションだったこともあり内枠馬,特に馬番1~8へ入った逃げ・先行馬が有利になりやすかったものの、乾いた馬場で行われた2日目以降では内枠馬は10レース中2勝を挙げるに留まり、逃げ馬に至っては1頭も連対していないことからも馬場コンディションによって好走傾向に偏りが見られており、レース当日までの天候と馬場状態には注意しておきたい。

  1. 今開催札幌ダート1700m枠別成績
  2. 今開催札幌ダート1700m馬番別成績
  3. 今開催札幌ダート1700m脚質別成績
  4. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:良,枠別成績
  5. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:良,馬番別成績
  6. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:良,脚質別成績
  7. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:稍重,枠別成績
  8. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:稍重,馬番別成績
  9. 今開催札幌ダート1700m,馬場状態:稍重,脚質別成績
  • 近10年レース傾向

当レースの特徴として西高東低の傾向が特に強いダート上級クラスらしく関西馬が好調
また別定戦の重賞レースながら近走上昇中の勢いある4,5歳馬58kg以上の斤量を背負うことになる重賞戦線で実績を残している高齢馬も好走傾向にある。
通常のダートコースは芝コースの内側に位置するためコーナーの角度がキツくスピードに乗りづらいコースが多いが、当コースはコーナーの半径が緩やかで道中で加速して行きやすくサンデーサイレンス系や芝G1馬の産駒の適正が活きるため、最後の直線距離が300mに満たない小回りコースながら前走1800m以上のレースへ出走して緩やかなペースを経験していた馬であっても大きな不利とはなりづらい。

昨年はオリンピック開催に伴う変則日程により函館ダート1700mでの施行となったが、通常の札幌開催時の当コースはフルゲート14頭、スタート後から最初のコーナーまでの距離も短く、前述の通りコーナーも緩やかで道中での減速要素が少ない平坦コースなことから単純にコースロスを最小限で済ませられる内枠馬に有利になりやすく、特に馬番9~14へ入った馬は大きくパフォーマンスを落としている
ただし、札幌開催時にJRA発表の馬場状態:良で行われたレースは近10年で3回行われ、そのいずれのレースでも今開催の傾向同様に外枠馬に有利な状況が見られており、最初の1,2コーナーを6番手以降で通過し3,4コーナーからポジションを押し上げた捲り脚質の馬の好走が目立っていることから同様の脚質馬にも注目しておきたい。

  1. 近10年性別,所属別,年齢別成績
  2. 近10年斤量別成績
  3. 近10年前走距離別成績※13,21年函館開催除く
  4. 近10年種牡馬別成績※13,21年函館開催除く
  5. 近10年枠別成績※13,21年函館開催除く
  6. 近10年馬番別成績※13,21年函館開催除く
  7. 近10年脚質別成績※13,21年函館開催除く
  8. 近10年エルムS,馬場状態:良,※13,21年函館開催除く



レパードステークス

  • 先週の馬場傾向

開幕週の新潟ダートコース全体の傾向として対馬18頭中11頭が1~4枠へ入った馬だったように内枠馬,中でも馬番1~6へ入った逃げ・先行馬が有利になりやすい状況。
新潟ダートコースは最後の直線距離は約350mとJRA全場の中でも長い部類に入るが、コーナーの角度がキツいため差しが決まりづらく先行馬が展開利を得やすいコース形状なため、今開催も同様に開幕週から逃げ・先行馬の活躍が目立っており、1勝クラス以上の条件ではこの傾向が特に強まっている点にも注目しておきたい。

  1. 開幕週新潟ダートコース全体枠別成績
  2. 開幕週新潟ダートコース全体馬番別成績
  3. 開幕週新潟ダートコース全体脚質別成績
  4. 開幕週新潟ダートコース全体,1勝クラス以上,枠別成績
  5. 開幕週新潟ダートコース全体,1勝クラス以上,馬番別成績
  6. 開幕週新潟ダートコース全体,1勝クラス以上,脚質別成績
  7. 開幕週新潟ダート1800m,1勝クラス以上


  • 近10年レース傾向

当レースの特徴として出走数自体は少ないものの牝馬が穴を空けているように、馬体重479kg以下のダート馬としては比較的小柄な馬が好走傾向にある。
前述の通り最後の直線距離が約350mとJRA全場の中でも長い部類に入るダートコースなこともあり、前走で最後の直線距離が長い東京または中京コースや地方では大井外回りコースへ出走していた馬は経験と適正面から有利になりやすいが、コーナーの角度がキツいため差し・追い込み脚質の馬は苦戦傾向にあり、対照的に逃げた馬は10頭7頭が3着内へ好走している。
特に降雨によってJRA発表の馬場状態:稍重~不良で行われたレースにおいては、逃げ馬はいずれも連対しており、タイムトライアル的なレース質になりやすいことから内枠馬が特に有利になりやすい傾向が見られている。
今週週中に北陸地方が記録的豪雨に見舞われたことから雨の影響が残る馬場で当日のレースが行われるようであれば同様の傾向も想定される。

また新潟競馬場は日本ではドバイワールドカップデーで馴染みのあるメイダン競馬場とコース構造に近いこともあり、2011年ドバイWC勝ち馬ヴィクトワールピサを輩出したネオユニヴァースドバイWC21年2着,22年3着馬チュウワウィザードを輩出したキングカメハメハ、ドバイの王族による競走馬管理団体ゴドルフィンが所有するパイロなどドバイに縁のある血統に向いたレース。

  1. 近10年性別,所属別成績
  2. 近10年馬体重別成績
  3. 近10年前走レース別成績
  4. 近10年前走コース別成績
  5. 近10年種牡馬別成績
  6. 近10年枠別成績
  7. 近10年枠別成績※馬場状態:稍重~不良
  8. 近10年脚質別成績
  9. 近10年脚質別成績※馬場状態:稍重~不良
  10. 近10年レパードS,馬場状態:稍重~不良